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没後30年 入江泰吉「大和のみほとけ」

開催終了 2022.06.07

開催日: 2022.7.2(土)ー2022.8.21(日)

 入江泰吉の没後30年を機に、入江の写真人生を振り返ります。今回は、戦後から長年にわたって対峙してきた「大和の仏像」を取り上げます。
 
 みほとけとは、祈りの対象であり、私たちに安らぎをもたらしてくれるものです。6世紀に伝来した仏教は、私たちの苦悩や煩悩を取り除いてくれるものとして全国に普及し、日本独自の文化を形成してきました。そして国家の安泰や民衆の病、貧困を救う願いを込め、各時代の声を反映しながら多種多様なみほとけが造られてきたのです。人々は、祈りの対象として日々礼拝し、いくつもの時代を超えて今日まで護り伝えられてきました。
 写真家・入江泰吉自身も、戦災に遭った体験から、みほとけを「心の拠り所」として接してきました。そして何度もみほとけと対峙するうちに、その内面に秘められた精神性や“祈りの心”を注視するようになりました。入江は「心の構えが整わなければ、み仏の心は開かれない」と語り、みほとけの崇高な美と心をとらえ、私たちを祈りの世界へ誘うような作品を表現することに苦心してきたのです。入江が約半世紀にわたってとらえてきた大和の仏像を、モノクロとカラー作品約60点で紹介します。
 

入江泰吉「室生寺弥勒堂釈迦如来坐像」1965年頃

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