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石内都「布の来歴-ひろしまから」

開催終了 2019.05.26

開催日: 2019.6.22(土)-2019.9.1(日)

 衣服は現在では消耗品となりましたが、以前は親から子へ、子から孫へと受け継がれていました。兄や姉のお下がりを着る子供や、母が着物や衣類を子供のために別の衣類に仕立て直す等よく見かけるものでした。そういった「布」の中には親族の愛用品として大切に保管されたものや、歴史の証言者として主を失ったものも少なくありません。
 人の手を通して紡がれた「布」は長い年月を人と共に過ごすことで時を紡いで来たといえましょう。人の世は時間や世代で大きく様変わりしますが、布が紡いだ時は変わることなく遺されていくことでしょう。
 本展は『布の来歴』と題し、国内外で高く評価され精力的に活躍する写真家・石内都の展覧会を開催いたします。カメラを通して見る文様の美しさや透明感、ほころびやシミなどから、それぞれの布が紡いだ時が読み取れるのではないでしょうか。

[石内 都(いしうち・みやこ)]
 1947年3月27日群馬県生まれ、神奈川県横須賀市で育つ。初期三部作〈絶唱、横須賀ストーリー〉〈Apartment〉〈連夜の街〉で街の空気、気配、記憶を捉えた鮮烈な作品を発表。〈Apartment〉で女性写真家として初めて第4回木村伊兵衛写真賞を受賞。同い年女性の手と足をクローズアップした〈1・9・4・7〉以後、身体に残る傷跡シリーズをモノクロームで撮り続ける。2005年、母親の遺品を撮影した〈Mother’s〉で第51回ヴェネチア・ビエンナーレ日本館代表作家に選出。その後、広島平和記念資料館に遺された被爆者の遺品を撮った〈ひろしま〉を発表、さらに大正・昭和期の着物「銘仙(めいせん)」と絹をテーマにした〈絹の夢〉、メキシコの画家フリーダ・カーロの遺品を撮影した〈Frida by Ishiuchi〉と〈Frida Love and Pain〉を発表。2013年紫綬褒章受章。2014年には「写真界のノーベル賞」と呼ばれるハッセルブラッド国際写真賞を受賞。2015年、ロサンゼルスのJ・ポール・ゲティ美術館で「Postwar Shadows」、2017年には横浜美術館で「肌理と写真」が開催された。

◆ギャラリートーク 石内都×百々俊二
日時:6月22日(土)午後2時~ <申込不要・要観覧券>

※当日の午後1時頃から4時頃まではギャラリートーク開催のため大変込み合います。ごゆっくりご鑑賞いただけない場合がございますので、あらかじめご了承ください。

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