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鬼海弘雄 PERSONA 最終章
開催終了 2019.09.07
開催日: 2019.9.7(土)-2019.10.30(水)
鬼海弘雄 PERSONA 最終章
「どういう人を撮りたいと思うのかは、なかなか説明しにくいんですよね。人間とは何かっていうことの、うっすらとした手がかりになるような人です。」と、鬼海弘雄は語ります。


撮影に出かけるのは午前10時。バックパックの中にはハッセルブラッドと80ミリの標準レンズ、そして数本のブローニーフィルムと露出計だけ。浅草寺に着くと、まず始めにいつも背景にしている朱塗りの壁へ。光の具合と状態を確認し、汚れていたらそれを落とす。そして境内でじっと待つ。やってくる人を見ながら、裸の目が撮りたいと感じる人をひたすら待つ。目の前を何千人も行き交うが、日に一人か二人に話しかけて撮らせてもらっている。ほんのたまに三人目になったりすると、ツキを使い果たすような気になって早めに切り上げている。むろんシャッターを切らない空振りの日も多い。
1973年から45年に渡り東京・浅草寺境内で撮影された人々のポートレートは1000人を超える。朱の壁を背景に撮影された人々は時の流れを感じさせることなくレンズを見つめている。その眼差しやサングラスに映り込む鬼海氏の姿は時間の流れとは無縁の世界の住人といえる。「PERSONA」とは(劇などの)登場人物、外的人格(仮面をかぶった人格)という意味。仮面の奥に垣間見える無垢の人間の姿を追い求め、「最終章」と銘打たれた本展では2006年から2017年に撮影された「浅草ポートレート」を紹介します。
鬼海 弘雄(きかい ・ひろお)
1945年、山形県生まれ。法政大学文学部哲学科卒業後、トラック運転手、遠洋マグロ漁船乗組員、暗室マンなど様々な職業を経て写真家に。45年に渡り、浅草寺境内で市井の人の醸し出す存在感と向き合い続けたポートレート『PERSONA』、人々の営みの匂いを映し出す、町の肖像『東京迷路』、インドやアナトリア(トルコ)「スナップ紀行」のシリーズがあり、写真を通じて人間の存在の根源的なあり方を捉えようとしている。1988年『王たちの肖像 浅草寺境内』で日本写真協会新人賞、第13回伊奈信男賞。1993年『INDIA』で第5回「写真の会」賞。2004年『PERSONA』で第23回土門拳賞、日本写真協会年度賞など受賞。東京都写真美術館、土門拳記念館をはじめアリゾナ州立大学、ニューヨーク国際写真センター(ICP)、ヒューストン美術館などに作品が収蔵されている。
https://twitter.com/hiroh_kikai(鬼海弘雄公式ツイッター)
鬼海弘雄×百々俊二ギャラリートーク
日時:9月7日(土)14時~ <申込不要・観覧券必要>
※ギャラリートーク開催日の13時頃~16時頃までは大変込み合います。ごゆっくりご鑑賞いただけない場合がございますので、あらかじめご了承ください。