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元田敬三写真展「御意見無用」

開催終了 2021.08.14

開催日: 2021.8.26(木)ー2021.10.24(日)


 
元田敬三は、1996年、「大阪新聞」に「ON THE STREET, OSAKA」と題し、路上で出会った人々を文章と写真で紹介するシリーズを連載、好評を博しました。その後も、街で人物に声をかけて撮影するスタイルは現在進行形で進められ、都市のストリートを撮り続けています。元田は「被写体の多くはモデルでも役者でもなく市井の人々です。時代が変わっても人の有り様は普遍的で変わらないのだと確信しています。そうした市井の人々や街の様子を記録することが私の写真家としての役割」と語っています。元田敬三の時代を映した都市のストリートスナップの写真群を大きな銀塩プリント(約110×170㎝)で紹介します。
 
<作家コメント>
 1995年に写真家を志し、ビジュアルアーツ専門学校大阪に入学。入学の半年前よりストリートでの撮影行為に魅力を感じ、大阪ミナミ、アメリカ村、新世界、を暇があれば撮影していました。
1997年に「大阪新聞」にて写真と文章の連載を週一回、10ヶ月やらせて頂いた経験が今の作品制作にも大きな影響を与えています。現場での撮影行為と写真としての画、この2つが絡み合って私にとっての写真となります。
 また、写真はイメージではなく薄っぺらい紙ではありますが、物質であり、サイズや素材の感覚なども重要です。今回のプリントは暗室で、幅1.06m、長さ30mロール巻きの印画紙を使用しました。これは学生時代の経験が影響しています。
 今回の「御意見無用」はLEICA R8ボディに21㎜超広角レンズを使用して撮影した2016年から現在進行形の作品になります。カメラを持って都市の路上を歩いていると街はキラキラと輝いて、その中を多くの人が行き交います。私は先入観を持たず自分自身がどのようなことに反応するか?に身を委ねて歩き続けます。そんな時あなたは現れます。気付かれないようにサッと近づき、そっと話し掛けます。「写真を撮らせてもらえませんか?」。「いいですよ!」。という具合です。撮影スタイルは学生の頃から変わりません。写真下のキャプションと共に見て頂ければ現場での行為としての写真作業も少し伝わるかと思います。
 被写体の多くはモデルでも役者でもなく市井の人々です。時代が変わっても人の有り様は普遍的で変わらないのだと確信しています。突然の申し出にも関わらず快く撮影させて頂いた皆様へは心より感謝申し上げます。これからも出来るだけ多く街を歩き、たくさんの人と出会って街やそこに生きる人を記録していきたいと思います。写真は人と出会う為のパスポートです。
 今回、地元である関西・奈良のこのような素晴らしい会場での写真展を開催出来ることを光栄に思います。被写体となられた方々へはたいへん感謝申し上げます。またストリートでお会いしましょう。(2021年8月 元田敬三)
 
  
<作家プロフィール>
元田 敬三(もとだ・けいぞう)
Motoda Keizo
 1971年大阪生まれ。桃山学院大学卒業後に写真家を志し、ビジュアルアーツ専門学校大阪へ入学。在学中の1996年「ON THE STREET, OSAKA」で第33回準太陽賞受賞。同年、大阪新聞にて路上で出会った人々を写真と文章で紹介するシリーズを連載。それが現在に続く作品スタイルの原点になる。1997年に上京し、現在まで精力的に個展、グループ展を開催。2016年、「東京・TOKYO 日本の新進作家展vol.13」(東京都写真美術館)、2019年、「ドレス・コード?」展(京都近代美術館)などでの作品が高い評価を受ける。
 
写真集:『青い水』(ワイズ出版 2001年)、「MOTODABLACK」(MATCH and Company 2008年)、『Capella』(MATCH and Company 2010年)『SUNDAY HARAJUKU』(SUPER LABO 2012年)、『轟』(蒼穹社 2019年)等。2021年8月、最新作『渚橋からグッドモーニング』(ふげん社)を出版。

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